神奈川県のHPで2023年10月26日に公開された記者発表資料の中で、2024年度入試に向けての募集定員が発表されました。
もうすぐ進路希望調査の結果も発表される時期ですね。募集定員に関しては、相模原地域でも増減のあった高校があるので、この記事で紹介していきます。
なぜ、毎年募集定員が変わるのか
少子化という言葉をあちこちで耳にします。特にこの仕事をしていると、「子どもの数が減っている」という話題を聞くことが多いです。実際、当塾に通っている生徒のとある中学校では、ここ10年で学級数が2分の1になりました。このように、子どもの数が変われば、高校の受け入れ人数も変わります。
社会の変化に合わせて、「県立高校改革」の計画や、県内の公立中学校卒業予定者数を加味して、神奈川県公立高校の募集定員は毎年微調整されるのです。
令和6年度は通信制・定時制での募集人数の増減はありませんでした。全日制でのみ、899名分の募集定員の減少となりました。
ちなみに、令和6年3月に神奈川県内の公立中学校を卒業予定の生徒数は67,003人です。これは、令和5年度の卒業生数に比べて1000人程少ない数字です。やはり、子どもが減っているんですね。令和6年度、神奈川県の公立高校は全日制では40,608人を募集する予定です。(県立:37,243人 市立:3,365人)ここに公立の通信制や定時制の募集も加わります。41,193人の卒業生を神奈川県の公立高校が受け入れる目標だということです。かなり細かく数字が出されていますね。
相模原地域の話題
ここからは相模原地域の話題について見ていきます。
上鶴間高校
年度 | 募集定員 | 受験者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2024年度(今年) | 280名 (21名) | – | – |
2023年度 | 320名 (21名) | 342名 (9名) | 1.08倍 |
2022年度 | 280名 (21名) | 326名 (8名) | 1.17倍 |
2021年度 | 280名 (21名) | 298名 (20名) | 1.07倍 |
2020年度 | 280名 (21名) | 305名 (5名) | 1.09倍 |
※実質倍率=(受験者数-受験後取消者数)÷合格者数
※人数の( )はインクルーシブ教育実践推進校の特別募集
一般募集と転入・編入定員を合わせた280名が募集されまます。加えて、インクルーシブ教育実践推進校特別募集で21名分が募集されます。今回の1学級分の定員削減で、一昨年(2022年度入試)の数字に戻ったことになりますね。
1.17倍の実質倍率があった2022年度から2023年度にかけて1学級分募集定員の枠が増え、倍率が1.08倍に落ち着きました。再び定員が2022年度以前と同じ280名(21)名となりましたが、どのような受験になるでしょうか。まずは、進路希望調査(暫定倍率)がどのようになっているのか、ドキドキしながら待ちましょう。
ただし、あくまでも暫定倍率はあくまで「暫定」であるため、参考にはなりますがそれに志望校を左右されるようなことがあってはいけません。ぶれずに年末年始の追い込みを乗り切って、最後の最後にどこを受けるかを考えるようにしましょう。
相模田名高校
年度 | 募集定員 | 受験者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2024年度(今年) | 280名 | – | – |
2023年度 | 320名 | 343名 | 1.08倍 |
2022年度 | 280名 | 283名 | 1.01倍 |
2021年度 | 280名 | 314名 | 1.13倍 |
2020年度 | 280名 | 314名 | 1.13倍 |
一般募集と転入・編入定員を合わせた280名が募集されまます。加えて、インクルーシブ教育実践推進校特別募集で21名分が募集されます。こちらも上鶴間と同様、今回の1学級分の定員削減で、一昨年(2022年度入試)の数字に戻ったことになります。
相模原総合高校が募集を停止し、城山高校に統合される形で相模原城山高校が新設されました。その頃(2021年度入試)から、田名高校より相模原城山高校に人が集まりやすい傾向にあります。
比較的低倍率で推移している田名高校ですが、昨年度と同じくらいの受験者が集まると少し競争率は高くなりそうです。
県央地域の話題
続いて、県央地域の話題について見ていきます。
座間高校
年度 | 募集定員 | 受験者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2024年度(今年) | 280名 | – | – |
2023年度 | 320名 | 348名 | 1.09倍 |
2022年度 | 280名 | 349名 | 1.26倍 |
2021年度 | 280名 | 337名 | 1.21倍 |
2020年度 | 280名 | 387名 | 1.38倍 |
2019年度 | 280名 | 379名 | 1.35倍 |
地域の人気校である座間高校も、昨年度入試で増えた分の定員がもとに戻った形となります。また例年のような、1.20倍以上の倍率になるでしょうか。
倍率が0.1倍変わると、入試得点の合否ボーダーラインも動いてきます。この辺りについては、もうすぐ県から発表される“暫定倍率”が出たら、また紹介しようと思います。
座間総合高校
年度 | 募集定員 | 受験者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
2024年度(今年) | 230名 | – | – |
2023年度 | 270名 | 284名 | 1.06倍 |
2022年度 | 230名 | 251名 | 1.10倍 |
2021年度 | 230名 | 261名 | 1.14倍 |
2020年度 | 230名 | 258名 | 1.11倍 |
単位制総合学科の座間総合高校でも、1学級分の定員削減が行われています。こちらもやはり、1.10倍前後の数字になるのでしょうか。合格者平均偏差値、内申点が上がってきており、綾瀬高校と並ぶくらいになってきています。
募集定員の変更に伴う模試の判定は・・・
当塾の中学3年生は8月以降、神奈川全県模試を受験しています。10月の全県模試の結果を先日返却して、受験生は解き直しをやり切ってから11月の試験対策に入りました。
その10月の模試なのですが、上鶴間高校の合格判定が少し厳しくなったのかな?という感じがしました。10月の末に発表された募集定員なので、模試の志望校判定に反映されたのかが微妙なところでした。
気になったので、伸学工房の方に問い合わせたところ、「募集定員の増減も加味しているが、それ以外の受験者層の変化など、様々な要素を加味して毎回微調整をかけながら判定決めている。」というお返事をいただきました。募集定員が減ったところで倍率が変わらなければ合格のボーダーに影響はないので、そこまで模試の判定に影響はないかもしれません。
志望校判定の基準の変化には様々な要因がある僧です。秋になり、より広い学力層の受験者が増えたこと、大手学習塾からの受験者が増えたことなど、多くの要素があることを教えていただきました。
神奈川県下最大級の模試である全県模試の方は、いつも親切に詳しい情報を教えてくださいます。わたしたちも、個人情報には気をつけつつも、出せる情報はどんどん出していった方が、結果的に喜んでくれる人が増えるのではないかと考え、情報発信は増やしてこうと思います。
まとめ
中3生にとって、出願まで残された模試はあと2回です。入試制度が変わる年なので何が起こるかわかりませんが、出来るとこは目の前のやるべきことに向き合うことしかありません。
自分の第一志望を貫けるように、まずは12月10日までの追い込みでどこまでやれるのか、楽しみです。
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