高校入試

【理科】2023年度神奈川公立高校入試を分析!どんな問題が出題された?

高校入試

2023年度の公立高校入試はどうだったのか。

全体的に

原理理解を求めるための、状況設定にひねりを加えた設問が増えた。
⇒やや難化。

過去の入試結果

合格者平均点

2023年度:51.0点
2022年度:58.9点
2021年度:50.1点
2020年度:55.9点
2019年度:61.3点
2018年度:45.3点

公式発表

出題内容と配点

★出題内容
大問数:8問
小問数:28問
解答形式:マークシート形式
昨年と変わらず

大問数:出題内容
大問1:小問集合(物理)
    モノコード・電気回路・力の釣り合い
大問2:小問集合(化学)
    アンモニアの性質・溶解度・中和
大問3:小問集合(生物)
    顕微鏡の使い方・人の器官・減数分裂
大問4:小問集合(地学)
    地震・飽和水蒸気量・太陽の運動
大問5:物理
大問6:化学
大問7:生物
大問8:地学

問題分析

総評と特徴

■物理
 実験結果と考察からわかることを取り出す問題
 教科書の実験の「その先」を意識して復習をする必要がある。
■化学
 知識を土台にした実験結果考察問題
 計算ミスを誘発する設問もあるため、計算力を身につける必要がある。
■生物
 実験結果と考察からわかることを取り出す問題
 現象が起こる原理を理解し、過去問などで問題に慣れる必要がある。
■地学
 観察結果をもとに「同じ高さ」を見つけられるかがポイント

2023神奈川 問2(ア)

2023神奈川 問2(ア) (正答率:56.7%)

まずは皆さん。この問題を考えてみてください。
ちょっと性格の悪い問題ですね。これ

一部の人は「あれ?」と思う人がいるかもしれません。

そうなんです。

a 刺激臭がある。
b 水に溶けやすい。
c 水に溶けるとアルカリ性を示す。
これらは全て、アンモニアの性質としては正しいのです。

なのになぜ、
aとbとcの選択肢がないの?と思いますね。


それでは、解説です。

今回の問題で重要となってくるのは、
問題文の上から6行目の終わりから始まる
「この現象からわかるアンモニアの性質として最も適するもの~」
という文です。

a 刺激臭がある。
というのは今回の実験からは読み取ることはできません
b 水に溶けやすい。
は、水を入れて反応を示したことから水に溶けやすいことがわかります。
c 水に溶けるとアルカリ性を示す。
はフェノールフタレイン溶液が赤色になったことから読み取れます。

よって答えは6です。

アンモニアの性質として、「刺激臭がある」というのはほとんどの人が知っている性質でもあることから、4と5を選択し誤答をしている割合が高かったです。

問題文をよく読むことが重要だとわかる一問でした。

2023神奈川 問4(ウ)

2023神奈川 問4(ウ) (正答率:30.2%)

(ⅰ)太陽の昇り方と南中高度を求める公式を覚えていれば、簡単だったかと思います。

太陽の昇り方

春分・秋分:真東から昇り、真西に沈む
夏   至:真東よりも北寄りから昇り、真東よりも北寄りに沈む
冬   至:真東よりも南寄りから昇り、真東よりも南寄りに沈む

太陽の南中高度の公式(※北半球の場合)

春分・秋分:南中高度=90°-(北緯)
夏   至:南中高度=90°-(北緯)+23.4°
冬   至:南中高度=90°-(北緯)-23.4°

観察日を変えず(春分の日)⇒真東から昇る。
緯度を高くしているので、
南中高度=90°-(北緯) 北緯の値が高くなる。⇒南中高度は低くなる。
よって答えは2です。


(ⅱ)空間的パズル?先ほどの2つを組み合わせて考えましょう。
観察場所を変えず⇒南中高度は変わらない???(×)
観察日を2ヶ月後にしていることから、夏至に近づいていることがわかる。
観察場所を変えなかったとき、夏至に近づくほど⇒南中高度は高くなる。
また、太陽の昇り方は夏至に近づくほど⇒北寄りになる。
よってえは3です。

2023神奈川 問6(エ)

2023神奈川 問6(エ) (正答率:46.1%)

C(炭素)の個数に着目すると比率が1:1なので、(あ)(い)に入る数字が同じ数字になることがわかる。
この時点で、選択肢1,3,6のいずれかになることがすぐにわかる。

ここからは、すべてあてはめてみて数が合うかどうか確かめてもいいが、O(酸素)の数に着目すると、O₂から右側は必ず偶数個になるため、(あ)に偶数は入らないことがわかる。

選択肢1と6をあてはめてみると、6が正しいとわかる。

よってえは6です。

まとめ

「なぜこの現象が起こるのか」
「なぜこのような変化が起こるのか」
「これを検証するためにどのような実験を行い、どういう結果が得られると考えられるか」
について普段から深く考え、まとめておくことが大切。

前半の4問(一問一答形式)では、教科書内容の用語を押さえること。
そして、その知識をもとに問題を解いていくが、今回紹介した【2023神奈川 問2(ア)】のように問題文を的確に読む力も必要となってくる。

後半の4問では、教科書内容の知識を土台にして、一つにまとめる勉強が大切。
「結果を導くために行う実験の方法の分類」「実験を複数の物質で行ったときの結果の違いとその考察」などをまとめ、深く考察することが大切。


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