2月17日月曜日に特色検査を受検した皆さん、本当にお疲れさまでした。今年は学力検査の後に土日を挟んだので、緊張感のある2日間を過ごしたことと思います。
11:00前くらいに、生徒が教室に持ってきてくれた相模原高校の特色検査の問題を見て、感じたことをざっくばらんに書いていきます。
ちなみに、今年の採択問題は問3・問5でした。(問1・問2はサイエンス以外の全校共通、加えて2問は各校が問2~問6の中から選択)
※2023年度までは問2~問7の中から選択。実質問4が消滅し、問6・問7がスライドして問5・6になったイメージです。
昨年から変わらなければ、問3は湘南高校型、問5は横浜翠嵐高校型ですね。昨年、県相は問3・問4選択で、どちらも湘南高校型でした。2021年度から2023年度までは問4を選択していたため、今年は2020年度と同じ選択と考えてよさそうです。
問1 オーバーツーリズムについての英文読解
だいぶ見慣れた形式と言えるようになってきたでしょうか。2019年度から毎年問1は英文を読んで、その中に含まれる教科横断型の問題を解くものになっています。今回も理科や社会の知識が問われていますね。
(ア)は円安の問題。社会でたくさん練習しましたね。
(イ)の資料の読み取りも、社会というか適性検査というか。情報処理力が求められています。とにかく、問1問2の取れるところでできるだけ得点を確保しておきたい特色検査。この辺りは攻めよりも守りで、焦らず確実に取りに行けた人が多いと思います。
(ウ)も英文の読解力で突破できる問題です。設問を先に読むと時間短縮につながるので、練習通りできたでしょうか。
(エ)が厄介でしたね。。。これも設問の先読みが所要時間短縮につながりますが、少し複雑でした。「理由及び例を交えて,賛成か反対かを主張している」という部分を正確に読みとれたかどうかがポイントのような気がします。戸惑って時間をかけてしまった人も多いのでは?
(オ)は中1理科の「音」の単元です。おなじみオシロスコープが理解できていれば、解けた問題でした。
(昨日、中1がテスト対策で全く理解できていなかったので、雑談の中で「特色検査でこんなのが出たよ!」と教えてあげようと思います笑)
問2 物流を題材にした問題
時事問題で触れられることの多かった物流、ここで出ましたね。「2024年問題」が背景にあるのでしょう。ちなみに、神奈川県立中高一貫校(相模原中等・平塚中等)の適性検査Ⅰの問3でも、物流をテーマにした出題がありました。「速さ」の単元を使いつつ、論理的思考力を問うような問題でしたね。
今回の特色検査の(エ)は、適性検査で出題された問題と似たような問題でした。やはり、適性検査の問題は小学生のフリー学習や学習イベント、中学1年生・2年生の授業内のチャレンジ問題などで時折触れていこうと思います。
▶【中等教育学校入試】2025年度県立中高一貫校、相模原中等・平塚中等で実施された適性検査を解いて感じたこと。
こちらも、毎年お決まりのような形になっており、説明的文章を読んで、それに関連した設問に答える形式です。
(ア)は過去問や特色検査対策模試で何度も見た形式ですが、だからと言って簡単ではありません。「ロジスティクス」「物流」「サプライチェーン」など、似たような意味の言葉が並びます。背景知識があった方が有利ではありますが、あくまで文章を読んで答える問題です。
(オ)も正確な読解が試されていましたね。(ウ)のドローンについての問題も、理科の知識も多少は必要になりますが、条件をきちんと読み取ったうえでの想像力が求められます。
(イ)は「西インド諸島」をアジアだと勘違いした人がやらかしそうな問題でした。文系要素の強い設問で得点する作戦の人はとっておきたいですね。
特色検査では理系に難問が多いです。相模原高校をはじめ、偏差値65くらいのトップ校を受験する中3生にとっての一つの勝ちパターンは、「問1問2でがっちり得点を確保、そのほかの取れそうなところでとり、合計50点を目指す」だと思っています。
今回は問3にも取り組みやすい問題が多かったように思いますが、なるべくここまでのところで稼いでおきたいですね。
ここからは選択問題の問3と問5についてみていきます。
問3 災害を題材にした問題
災害をテーマにした出題でした。(ア)は天保の飢饉を題材にした問題。教科で言えば社会ですね。特色検査で出題される資料の読み取りとしては平易な方ですね。計算は必要なものの、答えの出し方がはっきりしているので取り組みやすかったはずです。
(イ)は平家物語の読み取り。災害の記録としては鴨長明の「方丈記」が有名ですが、今回は「平家物語」からの出題。8の「火災」が答えに含まれるのかどうかが難しいところです。設問分の「実際に起きた災害」という記述と、「洪水みなぎり来らば」にわざわざ注が振ってあるところから考えたいです。
(ウ)と(オ)は比較的取り組みやすかったと思います。(ウ)は読解力、(オ)は読解力に加えてグラフの見方を間違えなければ選択肢を絞れた問題でしたね。
(エ)と(カ)を両方時間をかけて解けた人はいたでしょうか。どちらも正解までの道すじが初見ではわかりづらく、ストレスのかかる問題です。これまでの経験から、もしかしたら飛ばした人もいたかもしれませんね。これらの問題は5教科に加えてどのくらい特色検査対策に時間をかけたかに差が出ます。
もしくは小学生の頃に適性検査型の勉強をしていたり、パズル系の問題を解くのが好きだったりすると突破スピードが速くなります。
(エ)の問題の選択肢は、誤読した人用のものもいい感じに用意されていて憎たらしいです。
問5 コーヒーを題材にした問題
さて、最後は問5です。問4→問5→問6というように、数字が大きくなればなるほど理数要素が強くなり、難度も上がるといわれています。
今回も問3に比べると難しいですね。
(ア)はコーヒーサイフォンという装置からの問題で、中学生にとってはそもそも初めて見たという受験生も多かったかと思います。内容は圧力が加熱することで、どのように変化していくのかを考えていく問題でした。理科の内容をおさえながら、仕組みを考えていけば解けた問題でしたね。
(イ)は文章を読み、グラフを読み取っていく問題でした。教科に分けると理科ですね。(ⅱ)は力のはたらきが図2に対してイメージができないと難しかったかなと思います。
(ウ)はレポートを読みながら計算をして、調整金を求めていく問題でした。求め方はレポートを読めば分かります。数字が散らばっているので、どの数字を当てはめて求めていくのか、そして計算ミスなく答えを導き出せるのかがポイントでした。
(エ)は教科に分けるとしたら、社会と算数ですね。アフリカの国や赤道付近の国、割合の計算など、どちらの教科も知識としては難しくはありません。どちらかというと、パズル的要素が強かったような気がします。メモから読み取れたものからカードに書き込むなどしてまとめていくと解けていきました。ここでポイントになるのが、確定したものだけを書き込むのではなく、推測できるもや候補となるものも書き込んでいくということです。少しずつ絞っていきながら最終的に確定したものを見つけていきましょう。
(オ)は見たことのないような言葉がたくさん出てきますが、その言葉についてもノートに書いてあるので、焦らずに見落とさないように読めば解けていきました。数学のパターン数を求める力が必要でしたが、簡単なものだったので問題はなかったかと思います。
さいごに
ここまで取り組んできた高校入試の最後の最後、60分の中で得点プランを柔軟に考えながら頭と手を高速で動かし続けるのは、実際に取り組んでいる人にしかわからないハードさがあります。
ここまで頑張ってきた皆さん、本当にお疲れさまでした。ゆっくり休んで、これまで我慢してきたことを目一杯やってください。卒業までの貴重な時間、そして入学までの時間を自分と、これまで支えてくれた人たちのために使ってください。
受験を通して、時間の大切さと自分を支えてくれる人の大切さがわかったという人もいるでしょう。
学力以外にもたくさんのことを得られた入試だったと振り返ることができる、そんな次のステージを力強くスタートしてくれることを願っています。
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