この記事では、横浜市緑区にある横浜翠陵高校の一般入試問題の傾向と、対策の仕方について紹介しています。一般入試を受ける人や、推薦・書類選考でコースアップを狙う人は確認しておきましょう。
概要
横浜翠陵高校をはじめとする多くの私立高校への入学は基本的に中学校の内申点で決まります。※難関私立高校は異なります。
そのためこの記事は、推薦や併願の書類選考、一般入試で合格が確約され、さらにチャレンジ制度を利用して別のコースを希望する人。もしくは、一般入試を受けるからにはどのような問題が出題されるのかを知っておきたいという人向けです。
ちなみに、オープン入試の場合の合格ラインは下記の通りです。参考にしてください。
特進コース | 8割 |
国際コース | 7割 |
文理コース | 6割 |
なお、オープン入試の場合は推薦入試と同様に個人面接も課されます。事前に中学校の先生や高校側と相談しておくことをオススメします。
英語・数学・国語の3教科で各100点満点。合計300点で見られます。試験時間は下記のとおりです。
英語:60分 100点
数学:50分 100点
国語:50分 100点
内申基準など、学校の紹介はこちらをご覧ください。
英語の傾向と対策
傾向
英語の入試問題は、一言でいうと読解重視です。国際コースのある学校なので、その特色が入試問題にも現れています。3教科の中で英語だけ60分間です。
大問ごとの出題内容は下記のとおりです。
大問1 | リスニング ※未公表 |
大問2~5 | 読解 人物についての文章・小説 |
大問2~5 | 読解 説明的な文章 |
大問2~5 | 読解 地図などの図説を含む対話文 |
大問2~5 | 読解 地図などの図説を含む対話文 |
大問6 | 単語補充 |
大問7 | 文法 空欄補充 |
大問8 | 文法 語順整序 |
大問9 | 和文英訳 |
上記は2024年度入試を参考にしています。市販されている5年分をさかのぼると、大問数に変化がある場合や、出題内容にマイナーチェンジが見られますが、大まかな内容は変わりません。
読解問題の占める割合が多く、またその設問の多くが内容一致の正誤問題です。
「本文の内容と一致するものには○、一致しないものには×をつけなさい」といった問題が多く出題されるので、正確な読みが求められます。
それでも、時間がものすごくシビアかというとそうではありません。特に、神奈川県公立高校入試の対策をしている受験生であれば、時間内での情報処理量の多さには慣れているはずです。
横浜翠陵高校の入試問題は、読解量こそ多いものの、計算を含むような複雑な問題はあまり多くありません。先に選択肢を読んで、内容一致問題にしっかりと正解していくことが得点をとるポイントとなります。
一つ注意が必要なのは、長文の表現にところどころ高校内容が出てきていたり、難しい単語が注なしで出てくることもあります。そういった場合にも、それまでの読解内容から推測して、止まらずに読み進めることを意識しましょう。
対策
対策は大きく2つです。
内容一致問題で落とさない
内容一致問題が多いということはうえで紹介しました。まずは先に選択肢を見て、大まかにどのような単語についての読み取りが求められているのかを把握しましょう。また、基本的には本文に出てきた順番に選択肢が並んでいることが多いので、1パラグラフ(段落)を読み終わったら、内容一致問題の選択肢を切るというテクニックも、過去問の中で練習してみてください。
文法問題は後回しだが確実に得点
文法問題は後半に出てきます。特に空欄補充は、受験勉強を進めていれば基本的かつ頻出と言えるものばかりです。
神奈川県入試や全県模試、その他の受験対策教材でもよく目にする文法の4択問題は多くの受験生にとって得点源になるはずです。長文に時間をかけることが大切ですが、くれぐれも時間切れで解けなかったということがないようにしましょう。
あとは、過去問を解きながら感覚を身に着けていきましょう。過去問については、この記事の下の方でも書いています。
数学の傾向と対策
大問1 | 小問集合 |
大問2 | 小問集合 |
大問3 | 関数 |
大問4 | 平面図形 |
大問5 | 空間図形 |
2024年度入試~2020年度入試の過去5年間は上記のような分野から大問が構成されています。
大問1の小問集合では、主に計算力を必要とする計算問題が出題されます。数の計算、展開因数分解、方程式など広い範囲で出題されます。設問数は6問です。
基本的な計算問題なので、全問正解できるように見直しを行いながら、正確に解き進めていきましょう。二次方程式の解の公式は必ず覚えておきましょう。
大問2の小問集合は、大問1と比べ、思考力が少し必要となってくる問題が出題されます。平方根、二次関数、確率、平面図形など広い範囲で出題されます。設問数は5問です。
平面図形は円の性質を利用した角度を求める問題が多く出てくる傾向があります。角度に関する性質をおさらいしておきましょう。
・円周角の定理
・平行線と角(同位角・錯角)、対頂角
・合同相似な図形の対応する角
・二等辺三角形の底角
・平行四辺形の対角
など、角度に関する性質は他にもたくさんあります。すべて頭に入れておきましょう。
大問3は関数が出題されます。二次関数と一次関数のグラフと図形の融合問題がベースになります。比例定数を求める問題と直線の式や座標を求める問題が出題されます。問3ではグラフと図形の両方の知識を必要とした問題が出題されます。設問数は3問です。
神奈川県公立高校入試とは違い、問題文で与えられているグラフの式や座標がもともと書いてある図に書かれていないことがほとんどなので、自分でグラフや座標を正確に書き込む力を身に着けておきましょう。
大問4は平面図形が出題されます。線分比や面積比、面積は何倍になるか。などの比率についての問いがほとんどです。設問数は3問です。
大問4を攻略するカギは相似な図形をきちんと理解しているかどうかです。相似な図形をもとに線分比を求め、そこからの面積比を出していきます。ほかにも等積変形や同頂点底辺比なども頭の中に入れておきましょう。
平行四辺形から作れる相似な図形のパターンを覚えておくとさらに良いです。
大問5は空間図形が出題されます。柱体、錐体を切断したとき線分の長さや断面積、体積などを求める問題が出題されます。設問数は3問です。
相似な立体の性質理解と体積と底面積から逆算して線分(高さ)を求める力を身に着けておきましょう。問1から問3が誘導問題になっていますので、前の問いを活かしながら次の問題を解き進めていきましょう。
神奈川県入試とは違い、解答形式が記述なので、過去問にたくさん触れておきましょう。そのさいに、大問ごとに目標時間を決めて問題全てに目を通せるように意識しながら行いましょう!
※当塾では講師のことを「先生」ではなく「コーチ」と呼んでいただいています。「コーチ」には目的地まで伴走するという意味が含まれています。
国語の傾向と対策
傾向
国語の入試問題は漢字の読み書き、オーソドックスな論説文が2題と古文で構成されています。試験時間は50分なので、神奈川県入試と比べると、やや時間にゆとりがあります。本文から抜き出して書く問題はありますが、記述問題はありません。
大問一 | 漢字の読み書き |
大問二 | 論説文 |
大問三 | 論説文 |
大問四 | 古文 |
大問一の漢字は読みが5問、書きが5問の合計10問です。いずれも解答用紙に記述する問題なので、正確に漢字を覚えていることが必要です。熟字訓が出題されたりとやや難しいものも含まれます。
大問二の論説文は、教育や学び、研究についての文章が出題されることが多くなっています。接続詞の空欄補充問題や、脱文挿入問題、内容説明の4択問題など、オーソドックスなものが多くなっています。選択肢に紛らわしいものはあまりないため、読むことができていれば、判断に迷う選択肢は少ないでしょう。
大問三の論説文はやや難度の高い文章が出題されている傾向があります。2024年度入試は中世ヨーロッパの労働者組織を題材に日本の社会を論じた文章でした。大問二と比べて設問数は少ないのですが、同じくらい時間がかかると考えてよいでしょう。
大問四は古文です。2024年度は「蜻蛉日記」、2023年度は「十訓抄」からの出典で、いずれも頻出のものです。「かたちを変へて」が「出家して」という意味になることをこたえる問題が出題されるなど、中学校の授業内容や、高校受験の対策ではあまり目にしない問題も出題されました。ただ、周囲の注やほかの選択肢から内容を推測することができるため、全体としては平易な問題と言えます。文学史の知識が問われることも、横浜翠陵高校の国語の特徴です。
対策
国語の対策で必要なことは大きく2つです。
論説文での失点を抑える
大問二の方が本文が読みやすい傾向があります。脱文挿入問題や言い換え表現の説明など、様々な角度から読解の制度を問われます。指示語や接続語を頼りに読み進めましょう。大きく失点しないために、大問一の漢字を解き終わったら、大問二と大問三を見て時間配分を間違えないようにしましょう。例年通りであれば、記述問題は出題されないため、一つ一つの選択肢の吟味に時間をかけられます。ただ、そこで迷いすぎたり、書き抜き問題で時間を使いすぎると全体のバランスが崩れるので、時計は常に意識しておきましょう。
古文は注や選択肢、口語訳からヒントを得る
古文は口語訳が多めについていますが、肝心なところで古語の意味を考えさせる問題が出題されます。登場人物の行動や会話文をヒントに心情を読み取り、消去法を使いながら本文読解を進めていきましょう。解き進めるうちに理解ができるような解き方を心がけると、訳せない部分が出てきたときにも気持ちが楽になります。
過去問で時間配分と形式を確認
この記事を読んでいる人で、公立高校が第一志望だという人の多くは、内申点での確約をもらっているうえでの筆記試験の受験ということになると思います。
第一志望がほかの学校なら、過去問は1年~2年分で十分でしょう。推薦入試で既に入学が決まっていて、合格したコースとは別のコースにチャレンジする人は、もう少し多めに解いてもいいかもしれません。
状況や学力によっても過去問の必要な年数は異なるので、周りの先生に相談してみましょう。
時間的な余裕がある人は、過去問題集を時間を測って解いて、時間配分も身体に覚えさせましょう。横浜翠陵高校を受験する人で問題を解いておきたいという人は、年明けくらい取り組めると良いですね。
【私立高校受験】過去問題集はどちらを買う?東京学参と声の教育社を塾講師が比較してみた!
神奈川県の公立高校が第一志望の人も、特別な対策はせずに過去問で形式を確認すれば、持っている実力を十分に発揮できる入試問題です心配な人は1,2年分確認しておきましょう。
※当塾では講師のことを「先生」ではなく「コーチ」と呼んでいただいています。「コーチ」には目的地まで伴走するという意味が含まれています。
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