4回にわたって、相模原高校(県相)に逆転合格を果たしたAくんの1年間を連載記事で振り返っています。1回目(入塾した中3の3月)から読みたいという人は下記のリンクからご覧ください。
▶第1回の記事:【相模原高校】憧れの県相に逆転合格!中3の1学期にやったこと。(偏差値55→60)
最終回の今回は、最後の定期テストが終わってから冬期講習~直前期のお話です。
燃え尽き症候群からの12月全県模試
前回の記事でもお話ししたように、定期テストが終わってから数週間が経って、どうも学習量が受験生らしくないという状態でした。
▶第3回の記事:【相模原高校】合格した先輩の2学期。中3内申と模試の偏差値UPのためにやったこと。
このときまで5回受けてきた全県模試では偏差値が60を超えることは多かったものの、相模原高校の合格可能性は30%程度。
加えて、県相でなければ知らない人の多いところがいいと言っていたAくんは、セカンドウェイとして海老名高校の受験も視野に入れていました。
海老名高校は合格可能性が出ていたので、そちらに気持ちが傾いていたのかもしれません。
そんな中受けたのが12月の全県模試でした。また偏差値の一覧を載せておきます。
■12月全県模試 偏差値
英 | 国 | 数 | 理 | 社 | 5科 |
58 | 67 | 62 | 64 | 71 | 67 |
「このままじゃまずいから、もう一度テスト対策のときの頑張りを思い出して、1月の模試までやり切ろう」
そんな声をかけようと思ってみてみたら、しっかり伸びていました。この模試で相模原高校の合格可能性が85%と出たのです。1次選考の下位のラインにいました。(累計では60%で二次選考での合格判定)
基礎を地道に積み重ねたこと。そして、内申を上げ、「主体的に学習に取り組む態度」の観点別評価も上げたことが功を奏しましたね。
ただ、まだこの段階でも受験の意思は固まっておらず、保護者の方と何度もお電話で話しました。
ここまで来たのなら頑張ってほしいと思いつつも、最終的には自分で決めた道を進んでもらいたいので、特に受験校を絞り込むことなく、「(合格が)無理そうだったらその時にきちんと伝えてあげるから今は県相のつもりでやるよ」とだけ伝え、冬期講習に入りました。
特色検査対策スタート
当塾では特色検査実施校を受験する塾生には、市販の過去問題集ではなく、塾用教材の出版社さんから出ている問題集を購入してもらっています。
特色検査が共通問題となり、現在に近い形になった2019年度以降の過去問大集はもちろん、類題が4回分収録されており、演習量を詰めるので手に入る人はお勧めです。
直前期になればなるほど、5教科に目が向きがちで特色対策が手薄になってしまう人が多いです。
同じ価値のある6教科目と考えて、毎週木曜日を必ず特色検査に触れる日と決めて計画を組みました。
結果的に、特色検査の試験日の前日でちょうどすべての問題を解き終わり、かなりの経験値を積んで試験会場に向かうことができました。
湘南や翠嵐レベルでは特色検査対策も早くから時間をかけて行っている受験生が多いと思います。ですが、相模原高校レベルだと、そこまで特色検査で差がつくことがありませんし、対策しきれないという人も多いです。
(県相受験生の中では)内申が低く、得点力で頑張るしかなかったAくんは、周りの受験生には決して劣らない特色検査対策の演習量で受験当日を迎えることができたと思います。
冬期講習
冬期講習は全教科で入試対策です。
国語は直近の過去問を使い時間を計って演習。
その他の教科は、とにかく大問ごとに絞って演習と解説の繰り返しです。
これまで、基本的な知識を身に着けるために多くの時間を割いてきました。年末年始以降は、とにかく入試レベルの問題の演習量を増やしました。
もちろん、直前期であろうとインプット量は減らせないため、理科社会を中心に再度復習課題をこなしながら、問題を解く勉強と覚える勉強をバランスよくすすめていくようにカリキュラムを組みました。
勝負の1月全県模試
1月の全県模試では冬の成果を見事に発揮し、全教科でしっかり取り切り、12月模試の合格判定がまぐれではないことを証明しました。
■1月全県模試 偏差値
英 | 国 | 数 | 理 | 社 | 5科 |
63 | 66 | 65 | 62 | 68 | 60 |
例年、この模試の結果が出るとすぐに出願期間となります。模試を返却するときに伝えたのは、「このまま1か月やれば十分に可能性がある」ということ。
ただ、「出願時の倍率が1.30倍を超えたら、志願変更も視野に入れた方が良い」ということも伝えました。 ※結果的に出願時倍率は1.19、志願変更後の倍率は1.30となり、トップ校としては優しめの倍率での受験となりました。
この頃、やっと県相受験の覚悟が決まったようです。
残りの数週間でやるべきことは明確でした。
英語:長文読解の制度とスピードと問4で全問正解する確実な文法理解
数学:苦手な空間図形と問4=関数の(ウ)をとり切る練習
理科:問1~問4の小問部分を取り切るための知識の定着
社会は知識のフルチェックをしながら定期的に過去問を解けばOK。国語も、週に2回は必ず読解問題に触れればOK。
このような感じで、順調に2月に入りました。
超直前の体調不良~試験当日
順調に2月に入ったのですが、試験まで1週間を切ったところでまさかの体調不良との連絡が入りました。
直前の追い込み課題なども伝えていたので、それをこなせないというのも不安だったのだと思います。
本人も焦っていましたがなんとか体調を整え、数日前からはまた普段通りに勉強できていました。
数日の体調不良の期間でも特に感覚が鈍ってしまうこともなく、追検査の演習もばっちりこなし、2月14日の入試当日を迎えました。
■試験当日の自己採点
英 | 国 | 数 | 理 | 社 | 5科 |
74 | 94 | 62 | 88 | 88 | 406 |
全体的に予定通りというところでしょうか。数学は試験中にめちゃくちゃ焦ったと言っていました。多くの受験生が同じように焦りに焦って、必死の50分間を戦ったことでしょう。
家に帰ってから、お母様に報告の電話を入れたそうです。
「数学でこけた」
それを聞いて、運転中にハンズフリーで電話を聞いていたお母様の手が震えたと、後々笑い話で聞きました。
2025年度の数学は難しかったですね。
交付得点を見てみると、英語は74点ではなく70点でした。問4を一問落としたというところでしょうか。
それ以外は自己採点通り。得点力のある子は自己採点もブレが少ないと感じます。
特色検査は、国語が得意なことを活かして問2で稼いでいたのですが、本番はまさかの問2で大崩れ。交付得点では39点でした。
ただ、5教科でしっかりとれていたこともあり、無事に合格しました。
まとめ
さて、連載記事の最終回となる今回は実際の偏差値から交付得点まで、細かく見てきました。1年間の記録は、第1回の記事から順番に読んでいただけるとわかると思います。
▶【県相逆転合格記】相模原高校に合格した卒業生の1年を、偏差値推移とともに振り返るシリーズ。
中3春の時点で内申が33、偏差値が55でした。
そこからどのようにして、合格者平均内申40前後、合格者平均偏差値65前後の相模原高校に逆転合格できたのか。
あくまで一人の合格者の記録なので、「こうでなければいけない」ということはないのですが、一つの勝ちパターンとして確認しておこうと思います。
・国語が得意だった
・高い目標を掲げ続ける強さがあった
・素直に取り組めた
もちろん、最低限の学力の土台があったことは言うまでもありません。ただ、国語ができたのが大きかったです。
文章を読めるので、なんとか英語の読解も平均レベルまでは伸びました。
あとは「これを頑張ろう」と伝えたことについてはしっかりと信じてやり抜いてくれたことも非常に大きなポイントでした。
前向きに素直に頑張れる性格あっての逆転合格だったと思います。(あとは、モチベーションが見つかったときのエネルギーもすごいですね。)
トップ校に入ると、どんどん進んでいく授業の中で自分で学ぶ力も求められます。
苦労があると思いますが、Aくんが高校でも前向きに頑張り切ってくれることを願ってやみません。
改めて合格おめでとう。
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