先日、自己研鑽のために、2023(令和五)年度の大学入学共通テストの英語(リーディング)を解いてみました。
「共通テスト」は各大学が独立行政法人「大学入試センター」と共同で実施する試験です。2020年度までは約30年「センター試験」が行われていましたが、国が主導する教育改革の流れの中で、2021年度入試から「共通テスト」が実施されました。毎年1月中旬の土日の2日間で実施される、日本最大規模の試験です。国公立大学の受験生は、一次試験の位置づけで共通テストを受験します。また、多くの私立大学でも共通テストの成績を利用する「共通テスト利用方式」を設定しているため、大学受験生の多くが共通テストをうけることになります。
(参考:共通テストについて理解しよう | 大学入試の基礎知識 | 河合塾 Kei-Net (keinet.ne.jp))
解いてみて感じること
実際に解いてみて感じたことを率直に紹介していきます。
長文が多い
センター試験世代の自分にとって、共通テストを真剣に解くのは初めてでした。(今までは目を通す程度でした。)わかっていたのですが、やはり長文が多い。解きながら問題用紙をめくってみると、改めてその文量にうんざりしてしまいます。。。
これを80分で読み切って解き切るのは相当な読解スピードが必要です。もちろん、高校生になって志望校が決まってからの受験勉強も大事なのですが、中学生で英語の学習を本格的に始める段階から読解スピードは意識しながら勉強していきたいところです。
ページをめくってもめくっても長文。。。
文法問題がない・・・
長文が多いだけでなく、文法問題が一切ありません。話せる英語、使える英語へという流れなのでしょう。長文問題の題材も、プレゼンのスライドを考えるなど、実用的なものが多い印象です。
細かい文法知識よりも、とにかく情報処理という感じがします。ちなみに、設問文も含めてすべて英語で書かれています。日常レベルで英語を読んで理解できる力が求められています。
理解は当然、必要なのは思考力
これは高校入試でもよくありますが、長文問題の本文に書いてある表現と、選択肢の表現が違う場合が多いです。
頭の中で「表現は違うけれども同じこと」と整理する力と、その土台になる語彙力が必要です。また、後半には本文にはないことを推測しなければいけない問題もありました。
きちんと英語を日本語と同じレベルで理解して、その上で思考力を問われているのでかなり難度は高いと言えます。
読解スキルは前提で思考力と処理スピードの勝負
神奈川県入試にどうつながるか
文法問題は?
今のところ、神奈川県入試では文法問題は出題され続けています。語彙を問う問題も、難度は上がっていて、近年記述式からマーク式になったという変更点もありましたが、変わらず出題されています。
神奈川県入試では、図やブラフなどの視覚資料を使った問題が出題されていますが、これも大学入試の流れを受けてのものだと考えられます。文法問題も同じように大学入試に合わせてなくなっていくのでしょうか。。。
画像は共通テストの問3。神奈川県入試の問6以降も同じように視覚資料が出てきます。
それでも文法は必要
確かに、ネイティブの人が普段から文法を意識して会話をしたり、文字を読んでいたりするかと言われるとそれは違うでしょう。ですが、日本語を母語として身につけて第二言語として英語を習得するのであれば、文法の正しい理解は絶対に必要だと感じます。
細部の部分は間違っても伝わることはあると思いますが、正しい語順はマスターしなければ、自分の思いを伝えることはできません。
英語を勉強するとき、やはり文法から逃げることはできないと考えています。入試には出るから、定期テストには出るから、というのはもちろんです。高校・その先で大量の英語に触れるときの土台が文法と語彙です。
中学生の勉強からきちんと向き合うことが大切です。
単語・文法から逃げない
長文対策は?
中学生の長文対策に最適な教材があります。それはずばり、教科書です。まずは日ごろの学習で教科書を理解して、繰り返し読み込むことで、英語長文への耐性はついていきます。
もちろん、教科書の本文には設問文がないので、試験前には問題集を使って演習することが必要ですが、前提となる読解力は教科書を使って身につけることができます。
ちなみに、僕がおすすめする定期テスト対策でも、教科書はこれでもかというくらい使い倒します。是非こちらの記事も読んでみてください。
さいごに
子どもたちに話を聞くと、多くの子が大学には行きたいと答えます。(それってすごく贅沢なことなんだと大人になったからこそ思います(笑))
大学受験改革についていくようにして、高校の学習内容、中学校の学習内容も時代の移り変わりに沿って変わっていきます。
10年も経っていないのに、自分の頃の大学受験と今の大学受験はかなり様子が変わってきています。常にアップデートを続けていく必要を痛感する今日この頃です。
子どもたちに勉強しろという以上、僕たちも勉強し続けます。
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