【神奈川県公立高校入試】過去問題集はどちらを買う？東京学参と声の教育社を比較してみた。 | 塾は神奈川県、相模原の実績豊富なホタル塾 | ブログ

高校受験を控えた中学生やその保護者の方向けに、市販されている過去問題集を比較していきます。前回は私立高校の過去問を比較しましたが、今回は神奈川県公立高校入試の過去問題集を比較してみます。

多くの人が迷うのが、東京学参さんと声の教育社さんの二つではないでしょうか。（以下敬称略）

今回は同じ年度の同じ過去問題集を、東京学参のものと声の教育社のものを購入し、比べて感じたことをまとめていきます。

書店に行って、どちらの過去問題集を買った方がよいのか、迷ってしまう人もいると思います。受験生はどちらか1冊を持っていれば十分なので、購入する際、この記事が参考になれば幸いです。

※それぞれの違いに基づく個人的なオススメはあるものの、どちらかに優劣があるわけではありませんのでご理解ください。

　東京学参　　　　　

税込み1,320円

東京学参の表紙は黒と黄色の表紙になっています。踏切や道路標識のような、目立つ上に危機感をあおるような配色です。受験生にとってはちょうどよいかもしれません。

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　声の教育社　　　　

税込み1,100円

声の教育社の公立高校入試過去問の表紙には、雲梯(うんてい)に靴がぶら下がっている写真が使用されています。こちらもずっと変わらずこの見た目という感じです。業界では「声教（こえきょう）」と呼ばれることもあります。

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問題のレイアウトを比較

さて、まずは問題のレイアウトを比較していきます。ざっくり以下の通りです。

どちらの過去問題集も実物から縮小され、ページ数の関係でレイアウトが変更されている箇所はあります。私立高校の入試問題を見比べたときには、声の教育社の過去問の方が余白がありました。しかし、最新年度の数学の問題を見比べると、東京学参の方がやや余裕があるかなという感じがします。

本当にわずかな差でしかありませんが、問題の見た目は好みが分かれるかもしれません。Amazonなどのオンラインで購入する場合にも、過去問題集は必ず書店で実物を見比べてから買ってください。

問題ページでの比較は互角です。

※東京学参の過去問で一問、国語の本文未掲載の大問がありました。著作権の都合上の問題です。購入する際は注意が必要です。

解答･解説を比較

次に、解説ページの比較していきます。解説は執筆した先生によって解き方や考え方が変わるので、内容は設問によって「しっくりくる」「ちょっと遠回り？」という好みの違いが出てくるでしょう。

今回はレイアウトや体裁について触れていきます。過去問を解くときに一番大切なのは、とき直しです。書店で見て解答解説が見やすいかは大きなポイントになります。このパートは一つずつ確認していきましょう。

■東京学参

＋全体的に余白があり見やすい　　　

＋リスニングの現代語訳が見やすい　

＋国語の設問の解説が細かい　　　　

・解答解説が問題と合本になっている

－数学の解説に図形が少ない　　　　

東京学参の公立高校入試の過去問題集は、問題と同様に解説ページにも適度な余白があり見やすいと感じます。レイアウトは声の教育社よりも東京学参の方が使いやすいのではないでしょうか。

ただ、解答解説が問題と合本になっているので、少し読みづらいときがあります。読みたいページをクリップなどで止めながら解説を読んでいる受験生もいるようです。解答解説をなくす心配がないという観点から見れば、メリットともとれそうですが。

もう一つ課題点として挙げるとすれば、数学の解説に図形が少ないというところです。図形のどこが合同でどこが相似なのかを文章で説明している私立高校の過去問ほどではないのですが、声の教育社の過去問と比較するとやや図が少なめです。

それでも、デメリットはこのくらいで、英語のリスニングの放送文も神奈川県から発表されている「リスニング台本」の見た目を踏襲していて読みやすく、復習もしやすくなっています。また、国語の短歌･俳句の解説が丁寧なこともうれしいポイントです。これは声の教育社の過去問にはないメリットです。

■声の教育社

＋解答解説が別冊で使いやすい　　　　　

＋国語の論説文は本文の要約がついている

＋英語長文の全文訳に番号が振ってある　

＋数学の解説に図形がやや多い　　　　　

声の教育社の過去問は、解答解説･解答用紙が別冊になっているところが大きなメリットです。問題を解いた後は解説を詳しく読むことになると思いますが、背幅が広くて重たい過去問を開きながら解説を読むのは大変なので、別冊にしてくれているのはありがたいです。

英語は長文の全文訳に番号が振られているので、一文一文自分で訳せなかった部分の表現を確認していくときに、文を見失わずに済みます。

また、国語は本文の要約が書かれているので、難しくて時間内に理解しきれなかった論説文も、改めてまとまった文章で理解しなおすことができます。シンプルに書かれていると、筆者の主張がつかみやすいですからね。

ただ、設問について、各選択肢の内容などの解説は東京学参の方が細かく書かれています。

そして、数学です。数学の解説が一番好みが分かれるポイントになるのではないでしょうか。解説中に図形が多いので、解説文には「右の図の④を見ると」というように書かれています。ページをめくらなくても該当する図を見ながら解説を見比べることができるのが大きなメリットです。

私立高校の過去問を比較したときにも同じことを感じましたが、じっくりと文章を読める人なら東京学参の解説の方を好むのではないかなという感じがします。

両方に良さがあるのですが、個人的には解説は東京学参のものの方が好きです。

その他、付属資料などを比較

さて、東京学参、声の教育社ともに老舗であり、過去問題集の出版社としては最大手です。問題と解説以外にも魅力があるので比較していきます。

声の教育社の過去問には単問別正答率が解答解説に記載されています。その年度の受験生全体の正答率が神奈川県教育委員会から発表されるもので一覧表にまとめて掲載してくれています。

例えば、数学は正答率が5％にも満たないようなものが出題されることがあります。もちろん、調べれば出てくるデータではあるのですが、過去問題集に掲載されているのは受験生の手間が省けてうれしいです。とき直しの優先順位を考えるのに役立ちます。

出題内容の分析などは東京学参の方が情報量が多く読みごたえがあります。また、ダウンロードコンテンツが充実しているのが東京学参の過去問題集のありがたいところです。

過去問は多く触れられるに越したことはないので、さらに追加で解きたいときにネットからダウンロードすることができるのはうれしい特典です。

解答用紙については、東京学参も声の教育社も販売されている問題集の後ろの方についているので、コピーして使うことができます。

ただ、ネットでダウンロードしたものをコピーして使った方が黒い影が写ったりせずにきれいに印刷できます。過去問を本番さながらに時間を計って解くときのモチベーションにつながるところなので、ここもうれしいポイントです。

問題は実物データのダウンロードがおすすめ

さて、ここまで東京学参と声の教育社の過去問を比較してきましたが、過去問の入手方法はもう一つあります。それは、神奈川県の教育委員会のHPからダウンロードするという方法です。

実物のデータがPDFになっているので、A3サイズに製本印刷すれば本番さながらの練習ができます。リスニング音源も載っていますし、解答用紙も掲載されています。

国語の問題が著作権保護のために見れないようになっているので、そこだけは市販の過去問題集を頼る必要があります。

神奈川新聞社のHP(カナロコ)には国語の問題も本文付きで掲載されていることがあるので、高校受験を控えているご家庭は、少しずつデータをダウンロードしておくことをオススメします。

ということは、市販の過去問題集を購入する意義は解答解説を見ることにあります。

もちろん、塾の先生は細かく解説しますが、6年分すべての問題をつきっきりで解説するなんて、時間的にも現実的ではありません。わかるところは自分で解説を読んで理解して、読んでも理解できない部分を周りの先生に頼るという風にしましょう。

まとめ

最終的に購入する際には書店で見比べてほしいです。レイアウトなどは好みの問題も大きいですし、「何となくこっちの方が頑張れそう」という直感も大事にしてください。

そのときに、国語の問題文が著作権でカットされていないかどうかだけチェックできるといいですね。2024年現在、東京学参の過去問では2019年度の問三が著作権の関係で問題本文がカットされているので注意してください。

問題は実物データを印刷できるのが理想、それが難しい場合は東京学参の方が若干ですが、本物に似ていると思います。ですがこれも好みです。

大切なのは解答解説です。この記事を参考にしたうえで、書店で見比べて気に入った方を購入するようにしましょう。