桐光学園高校、英語の入試問題の傾向と対策。公立志望の受験生の対策は?

query_builder 2024/09/11
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この記事では桐光学園を受験する神奈川県の中学3年生とその保護者の方に向けて、桐光学園高校の英語の入試問題の傾向と対策をまとめています。


相模原高校や大和高校、希望が丘高校、川和高校、多摩高校などの公立高校を第一志望としている方向けに書いているので、公立高校入試対策で間に合うのかという視点でも見ていきます。

大問ごとの傾向と対策

さっそく大問ごとの出題内容と傾向を見ていきましょう。市販されている過去問題集に収録されている過去6年分と、桐光学園の学校HPに公開されている第2回入試も最新年度から2年分を参照して、計8回分を解いての所感です。



 各大問の詳細 


 大問1 

傾向

大問1は語彙・単語に関する問題です。書かされる単語は基本的なものが多いのですが、複数形や過去形に気を付けなければいけないものも含まれているので注意が必要です。例年5問で構成されています。単語の頭文字が与えられているため、書くべき単語はすぐに思いつくはずです。2024年度で出題された単語を紹介しておきます。この回の入試はまさに、複数形や過去形が含まれており、スペルミスの多いdifferentなども書かされていますね。


ちなみに、2022年度入試までは与えられた文章に日本語訳がついていました。また2021年度以前は、長文ではなく短文の空欄に単語を補充する形式です。それでも、難度が変わるわけではありません。手に入る過去問題集はできる限り解いてから本番に挑むようにしましょう。


1 be born 「生まれた」
2 family「家族」
3 be different from「異なった」
4 traveled 「旅し
5 queens「女王(たち)」


対策

大問1は全問正解したいです。日頃から単語を書く練習を怠らないようにしましょう。単語は書ける・話せるようになるための発信語彙と、読める・聞きとれるようになるための受容語彙に大きく分けることができます。もちろん、すべての単語を書けるようになることが理想なのですが、限られた学習時間の中では限界があります。まずは中学校の教科書本文レベルの語彙は書けるようにしておくことが大切です。


そして、まとまった長文の中に空欄がある形式なので、前後の流れと頭文字から単語を想起する力、そして、文法的なミスを防ぐ力も求められています。これらを瞬時に判断して、しっかりと点数をとれるように練習しましょう。


文法問題も同様ですが、桐光学園の英語の入試では、過年度の問題が再び出題されることがよくあります。2020年度に出題されたdraw「(絵などを)描く」は2022年度にも再出題されています。



 大問2 

傾向

大問2は文法内容の空欄補充です。こちらは記号問題で、5問構成となっています。中3単元からの出題が多く、レベルは市販教材や塾用教材の応用問題のものも見られます。神奈川県公立高校入試でいうと、問3のような問題で、全体的に難度が高めです。


対策

難度が高いといっても、ここも満点で突破したいところです。非常に人気があり、神奈川県内の上位私立高校として知られる桐光学園です。この記事も、公立上位校を狙う中学生向けに書いています。年によっては、公立対策をしていても目にすることのないようなものが出てきますが、満点を狙える年も多いです。普段からスピードを意識すること。そして、迷って正解したものも、自分で文法的な説明ができるまで復習をすること。この二つを意識して勉強を進めていきましょう。



 大問3 

傾向

問3も全5問構成です。ここも取り切りたいです。短い対話文の中に空欄があり、そこに入る文を挿入するという問題です。こちらも記号選択式の問題です。リスニングテストのスクリプト(原稿)がそのまま問題になっているような内容で、紛らわしい選択肢はそれほど多くありません。


対策

特別な会話表現を新たに学習する必要はありません。助動詞の細かい表現まで抑えておくこと。疑問詞を使った疑問文、付加疑問文、間接疑問文はマスターしておきましょう。また、Shall we ~?やLet's~.に対しての返答がYes, let's になるなど、対話文の中での返答の仕方もしっかりとインプットしておきましょう。



 大問4 

傾向

問4で再び単語の記述になります。3問あり、1問につき空欄が2つあるので、計6問です。ここは全問正解は難しいかもしれません。イディオム、熟語表現の一部分が空欄になっており、単語を解答用紙に記述します。大問1はスペルミスが想定される出題がありますが、ここは前置詞が答えになるところも多く、そもそも正しい表現を暗記しているかが問われます。


対策

大切なことは、思いつかないなら時間をかけないことです。2分以上かかってしまうなら次の大問に進みましょう。1文に空欄が2か所あり、それぞれの空欄につき1点もらえます。片方だけでもわかったら答えを書くようにして、半分は点数がもらえるようにしたいです。そのうえで少しでも得点を上げるために、対策としてできることは熟語帳を覚えることです。高校受験用のもので大丈夫なので、熟語表現を暗記するようにしていきましょう。進学塾に通っている人は、まとめて覚える熟語や連語表現の一覧表をもらっていると思うので、それで十分です。



 大問5 

傾向

問5は並べ替え英作文(語順整序)で、3問あります。関係代名詞、分詞などで名詞を修飾し、文全体が長くなっている傾向があります。不定詞も文を複雑にする単元の一つなので、出題が見られます。並べ替えたものを数字で答える問題で、もちろん完答で得点がもらえます。1問3点で3問なので、この大問だけで9点。ここを全問正解できると合格にぐっと近づきます。


対策

上に書いた通り、修飾語がついて文全体の構造が複雑になる傾向があります。関係代名詞や後置修飾、間接疑問文などの中3単元は何度も反復してマスターしたうえで、比較表現や助動詞の単元も、応用の細かいところまで確認しておきましょう。主語と動詞のつながりを意識すると大まかな“カタマリ”は作りやすいです。単数・複数、時制にも注意しながら、論理的に単語を並び替えていく練習も必要です。過去問では過年度のものが再び出題されていることもあります。経験値を積むことも大切です。



 大問6 

傾向

問6は条件英作文です。あらかじめ日本語と指定語句が与えられています。また、指定語句は指定された順番に使うように指示されます。年によって難度にばらつきがあるものの、標準~やや難程度のものが多いです。神奈川県入試の問5よりは使う表現は難しいです。


対策

問4対策も同様ですが、単語を見たときに瞬時に思い浮かぶ表現のストックを増やしていくことが大切です。例えば、looking という指定語句が与えられたときに、



①動名詞「見ること」

②現在分詞「見ている」

③連語表現(be looking forward to ~ing)の一部


という3つが頭に浮かぶかということです。はじめは手が止まってしまうかもしれませんが、演習量を積んでいく中で頭の中のストックを増やしていくことが大切です。




 大問7 

傾向

問7は長文問題です。例年、物語文が出題されています。会話文も入ってくるので、会話独特の表現に慣れる必要があります。設問数は7問~8問。本文内容を日本語で説明する記述問題が含まれている場合もあります。また、年によってはこの大問の中にも語順整序の文法問題が出題されます。題材となる長文によって、設問内容が異なるという感じですね。例年変わらないのは、最終設問の内容一致です。紛らわしいものはあまり多くありません。本文を通して読めていれば正解できるような難度です。


対策

時間との勝負になってくるところです。この後の大問8のことを考えても、あまり多くの時間はかけられません。先に問題冊子全体を見て、日本語の記述問題の有無も確認しながら時間配分を調整していきましょう。日本語記述問題やほかの設問にも、thatなどの指示語の内容を正確にとらえられているかが試される出題があります。普段から、指示語が何を指しているのかを確実に読み取る練習をしましょう。また、登場人物がそのように行動した理由なども問題になることがあります。前後を見ることはもちろん、国語の物語文を読むのと同様に、会話文やその登場人物の行動を整理しながら読み進めることが大切です。



 大問8 

傾向

問8も長文問題です。例年説明的文章が出題されます。やはりこちらも難度は高く、問7と同様に時間配分が肝になります。設問もthatなどの指示語の内容を日本語で記述する問題や、空欄補充問題など、多岐にわたります。ただ、本文の難度が高いとはいえ、中学内容を逸脱するような難しい文構造(関係副詞や分詞構文など)はあまり見られません。難しいとはいえ、落ち着いて英文解釈をすれば、ほとんどが関係代名詞や後置修飾なので、焦らずに読み進めましょう。


対策

傾向のところにも書いた通り、読解量が多いのがポイントです。速読力を養うとともに、段落ごとの内容を意識しながら読み進めるパラグラフリーディングを意識しましょう。そこまでに読んだ段落がどのような内容だったのかを整理して次の段落に入ると、スムーズに書かれている内容を理解できます。特に説明的文章の場合には意識しやすいです。基本的には時間を意識しながら速読をしていくのですが、意味が取れなくなったら一度速度をとして文構造を把握するようにしましょう。難しいとはいえ、関係代名詞などの、これまでの過去問演習でも見たことがある表現です。



 目標点数と目標時間 

個人差はありますが、目安となるように時間配分と各大問の目標点数を記しておきます。桐光学園高校はホームページに合格最低点などの入試データも公表してくれているので、そちらを参考に、英語で70点を目指すときの戦略をまとめていきます。※想定以上に失点しても合格ラインに乗るように高めに設定しています。


大問 目標点 目標時間
1 単語 10/10 2分
2 文法 8/10 2分
3 対話文 8/10 4分
4 語彙 3/6 2分
5 語順整序 6/9 4分
6 条件英作文 4/4 3分
7 長文 20/26 16分
8 長文 20/25 16分


※大問4は途中点の計算がわかりませんが、例年の難度なら取り切ることを目指しましょう。


また、大問7と大問8も記述問題の途中点などがわからないので、大まかに2問ずつ間違える計算で考えています。


上の図はあくまで参考なので、実際に過去問を解いて、各教科間の得意不得意の差や、得点の推移を見ながら戦略を立ててみてください。

求められている力

桐光学園の英語を突破するために、求められている力は大きく分けて二つです。



 文法理解 

合否を分ける大問になると考えられる問5の語順整序。それに加えて、長文読解の中にも設問として、語順整序が入っています。これらの配点は1問3点なので非常に大きいです。


文法を理解しているということは、ここで得点を稼げるというのはもちろんのこと、問題の突破スピードにもつながってきます。品詞理解、単数・複数、時制、自動詞と他動詞の区別など、深い文法理解が求められています。


 読解力 

長文問題が100点中50点以上のウエイトを持っています。ここに時間を残し、ミスを少なくすることが合格ラインを超えるカギです。ただ、前半の文法問題もハードなものが多いため、時間をたっぷり残せるわけではありません。


短い時間で長文を突破するための速読力、そして設問に関係する箇所や修飾関係が複雑で意味が取りづらい箇所は速度を落としても読み取れる精読力が求められます。一つ上で挙げた文法理解は長文読解の中でも求められているということです。


文構造を把握して精読した文章を音読し、文量に対する耐性は十分に身に着けておきましょう。



そのうえで、時間配分を意識しながら、50分間を戦いきる精神力と体力が求められる入試です。

神奈川県対策で合格ラインを超えるか


 根本理解 

この記事は神奈川県の公立中学校に通う中学生、およびその保護者の方向けに書いています。厚木高校や相模原高校、大和高校などの県立トップ校を受験しつつ、積極的に桐光学園などの難関私立の合格も勝ち取りたいという人向けの内容です。



そのためここでは、神奈川県の公立高校入試対策をメインで進めていく中で桐光学園高校の合格ラインを超えることは可能なのかという視点で見ています。


結論、神奈川県入試対策の範囲内で桐光学園の合格ボーダーを超えることは可能です。


もちろん、神奈川県入試で言えば2月の時点で100点中90点以上は安定して取れる実力がある前提での話です。そこまで到達するには、単なる問題慣れだけでなく、根本理解をできているかが問われます。特に、文法に関しては教科書内容の細かなところまで疑問点を残さない学習が必要です。英検®でいうと準2級以上の英文レベルですが、英検に合格したからと言ってこのレベルの文法問題や、長文の内容把握ができるとは限りません。とにかく語彙を増やしていくという学習よりも、中学校で学習する一つ一つの単元を説明できるくらいにまで理解していくことが大切です。



   過去問   

そこまで到達していれば、あとは桐光学園高校の過去問の演習量です。以前、入試統括の先生にお話を伺ったところ、毎年、過去問を解けば解くほど点数が伸びて合格できたという生徒がいるというお話をきくことができました。


桐光学園高校の学校ホームページには過去の入試問題が非常に多く掲載されています。市販されているものよりも古い年度まで載っています。これは学校からのメッセージととらえていいでしょう。


桐光学園に入りたいという気持ちが強く、過去問に多く取り組んだ人が得点しやすい問題となっています。実際、年度によってマイナーチェンジはあっても、問題傾向がガラッと変わることはあまりありません。第1回・第2回入試とあわせて、最新年度から順番に解き進めると良いと思います。


ちなみに、2019年度の第1回では、問5の語順整序でI’m looking forward to taking part in the race.という文が出題され、翌年の2020年度第1回ではI’m looking forward to taking part in the game. という文が出題されています。


過去問だけでは受かりませんが、最後は過去問です。


中島 プロフィール_R
陸コーチ

過去問を研究していて、解けば解くほど得点力がつく入試だということを感じました!MARCH付属高校のように、中学内容を超えた出題はありません。それでも難度が高い、非常に良い入試問題でした。

※当塾では講師のことを「先生」ではなく「コーチ」と呼んでいただいています。「コーチ」には、目的地まで伴走するという意味が含まれています。


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